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酸性硫酸塩土壌の中和

2014年3月5日

酸性硫酸塩土曜とは、硫黄化合物を含む土壌が還元状態で存在している場合、これを掘り起こすと酸化され硫酸を生じる土壌を指します。結果として掘り起こした直後は中性~アルカリ性を示していますが、経時的に酸化され強酸性に移行しpH2程度を示すことも珍しくありません。

ここを緑化しようとする場合、一般的には消石灰や炭酸カルシウムを用いて中和されることになります。消石灰は目に入ると危険ですので最近ではあまり使用されなくなっています。これらの資材は土壌中の腐食を減少させるため、土壌の団粒構造を壊し固い締まった土壌になってしまう傾向があります。積極的にたい肥を利用できればよいのですが、造園・緑化工事においては後からたい肥を混ぜることはできないケースがほとんどです。

当社では、酸性硫酸塩土壌の中和資材として「ドクターペーハーSX」を製造・販売しております。当社のリサイクル軽量人工土壌「ボストンファームⅡ」は軽量発泡コンクリート(ALC)を破砕したものが骨材となっています。その製造過程で0~3mmのパウダーが生じることになり、肥料への配合やたい肥の水分調整剤として利用されていました。肥料メーカーでは含まれるケイ酸が稲の倒伏に有効であるとしています。ですからイネ科植物が利用されることの多い酸性法面では一石二鳥的な材料となります。ドクターペーハーSXは、この材料に酸性土壌改質材を加え適度に水分を持たせた状態で出荷されます。

特徴としては
①焼成物なので反応が穏やかで、安全に取り扱いができます。
②水分を含ませているため、ほこりが生じません。大規模な現場での混合も安心して作業できます。
③水に溶けませんので効果が持続します。下層から一時的に硫酸が浸透してきても、土壌中に残っている成分が中和します。
④リサイクル素材ですから、比較的安価に供給可能です。もちろん土壌環境基準に準拠した安全な製品です。

新潟県内では酸性硫酸塩土壌が多くみられます。
写真下は現在進行中の造園工事の状況ですが、灰白色の粉状がドクターペーハーSXです。奥には黒曜石パーライトがみられます。これにたい肥を加え混合していきます。

関東はひどい積雪状況でしたが、今年の新潟市内は積雪がほとんどありません。