pHとは
pHとは
水溶液中(土壌の場合は懸濁液)の水素イオン濃度を示しています。
pH=-log10[H+]に示されるように、0~14の対数で表しています。中性が7で、これよりも小さいと酸性、大きくなるとアルカリ性になります。
水溶液と土壌懸濁液の違い
水溶液の中和反応は瞬時におこります
化学の実験で中和滴定を経験した方は多いと思いますが、水溶液の中和反応は瞬時に起こります。水溶液中には溶けているイオンの量しか存在しないので中和は短時間で安定し、その後のpH値の変化はありません。
土壌の場合、中和反応が安定するまでに100~200時間がかかります
土壌の場合は含まれているアルカリの原因物質である水酸化カルシウムは僅かしか土壌水(または懸濁液)に溶出しないので中和反応⇒再溶出が繰り返し起こり、pH値のリバウンドが生じます。従って中和剤の配合量はリバウンドが終息した時のpH値から求める必要があり、中和試験には7~10日間程度のお時間を頂戴しております。
土壌のイオン吸着作用による中和への影響
土壌にはイオンを電気的に吸着する作用があります。一般的に粘土分が多いほど吸着作用が高くなります。従って、同じpHの土壌を中和する場合でも、イオン吸着能の大きい粘土質の土壌は多量の中和剤を必要とします。砂質土はイオン吸着作用があまりないので、少量の中和剤で中和処理ができます。
同様に有機物(腐植など)もイオン吸着作用が高いので、これらを含む黒土は中和し難い土壌であると言えます。