インターファームブログ
関東1級河川堤防のアルカリ中和処理
2014年2月15日
東京の下町は0m地帯といわれる地域があり、河川氾濫を未然に防ぐために堤防の強化が実施されています。さまざまな調査で危険性ありと判断された箇所は嵩上げされたり地盤を強化するなどの対策が取られています。仕上げはコンクリート製品を敷設する部分と野芝で緑化する部分に分かれます。堤防の改修には「改良土」とよばれる土壌が用いられることが多く、強度は十分ですがセメントなどの固化剤の影響でアルカリ土壌の場合が多くなります。
このような場所への緑化対策として、ドクターペーハー液剤を散布することをお勧めしています。使い方は散布量と希釈倍率を決め、あとは種子散布車や動力噴霧器などを用いて散布します。
散布量の判断は現場で実際に水を撒くことからはじまります。適用条件としては2リットル/㎡以上浸透することが望まれます。幸いこの場所は勾配が緩く、試験散布により2リットル/㎡の散布量に決定しました。
次は希釈倍率の決定です。
現場で採取した土壌を持ち帰り、散布量に対する浸透深さ分の土壌に希釈倍率を変えたドクターペーハー液剤を配合しpHが安定するまで測定します。
3地点の中和試験結果ですが、アルカリ性が強く1回の散布では目標とするpH8以下まで中和できませんでした。2回散布した場合で、10倍希釈液でpH8以下まで中和できる結果となりました。
念のため10倍希釈液を2リットル/㎡を1回散布、2回散布、および5倍希釈液1回散布の試験区を作っていただき、現場で散布試験を実施しました。
結果としてpH8以下となったのは10倍希釈液2リットル/㎡区という結果となりました。
2月中旬に散布施工、その後野芝張りとなります。その後の生育状態など追跡しブログでご紹介させていただきます。
最新記事
- 軟弱泥土の液体改質剤開発
- 酸性硫酸塩土壌の緑化対策のための基礎研究
- ドクターペーハー液剤希釈液と同時に種子散布した場合
- 軟弱泥土の固化処理剤の研究開発
- 建設汚泥の中間処理として「中和処理」が採用されました。
- Eテレ NHK高校講座「化学の基礎・中和反応の利用」に出演しました。
- マンション外構植栽土壌の中和
- 八王子法面の緑化~その後の状況
- 八王子の造成地
- 関東1級河川堤防のアルカリ処理から半年後
カテゴリー
- アルカリ法面緑化(河川堤防・道路法面) (14)
- 建設発生土の中和処理 (1)
- アルカリ土壌への植栽(造園) (7)
- 既存緑地のアルカリ対策(既存緑地) (0)
- 酸性硫酸塩土壌の緑化対策 (2)
- 土壌改良、固化処理 (1)
- 研究開発 (1)
- その他 (0)