アルカリ土壌の植物への影響(中和の必要性)
pH値によって養分が溶けなくなってしまう
Trog 表を見るとアルカリ側ではpH7.5~8.0を超えるとリン酸や鉄などのミネラル類が難溶化し植物が利用し難くなってしまいます。
一方、pH5以下の酸性側でも同様の問題が生じますが、pH4.5以下になると土壌中のアルミナが溶出し植物根の冠細胞へ障害を与え、植物は枯死してしまいます。
アルカリ土壌に植栽された植物(葉面に現れる栄養障害)
アルカリ土壌でよく見かける栄養障害を呈した葉面の変化です。例えばpH8.5の土壌の場合、りん酸、鉄、マンガン、ホウ素などが難溶化してしまい、下図のように葉面に障害が生じ光合成ができなくなり衰弱してしまいます。
-B(ホウ素欠乏症)
生長点の新芽の生育不良。やがて葉は枯死する。
-S(イオウ欠乏症)
葉の色が薄くなり窒素欠乏「N」と似た症状。
-Mn(マンガン欠乏症)
上位葉ほど淡緑色となり鉄欠乏症に似る。葉脈は緑のまま。また葉脈間に褐色のスポットが生じることもある。
-Zn(亜鉛欠乏症)
葉色はやや黄化し、褐色の斑点が広がる
-Mg(マグネシウム欠乏症)
下位の葉が黄化する。葉脈の緑色は残る。
-P(リン酸欠乏症)
葉の大きさは小ぶりになり、暗紫色~紫紅色を帯びる
-Ca(カルシウム欠乏症)
生長点(新芽が出る場所)が白色化しまっすぐに伸長せず折れ曲がったりねじれたり奇形になる。
-Fe(鉄欠乏症)
若い上位の葉の葉脈間の黄~白色。葉脈も白くなることもあるのでイラストの通り全体に黄~白でよい。先端にややみどり残す。
-Cu(銅欠乏症)
新葉の先端が白色化ししおれてしまう。
-Mo(モリブデン欠乏症)
中位~下位の葉面全体が湾曲。葉脈間に不鮮明な黄化~茶色の症状
-K(カリウム欠乏症)
古い葉(下位から)の周囲が茶色枯れ、葉面全体が外側に向けてしわしわに縮れる。
-N(窒素欠乏症)
下の方から葉面全体の黄化が著しく進行