中和と電気伝導度(EC)の上昇
ECが高いと植物が枯れる
土壌の電気伝導度は、土壌中の水溶性塩類の多寡を表すものです。
根は浸透圧によって土壌中の水分を体内に取り入れていますが、土壌中の塩類濃度が高まると、逆に体内から土壌中に水分が逃げだしてしまうことが原因で枯れてしまいます。キュウリの塩もみと同じ理屈です。
土壌の中和処理=「酸」+「アルカリ」⇒塩類生成+水 ですから、緑化する場合には塩類の濃度(電気伝導度)に配慮する必要があります。
ドクターペーハー造園用と法面用液剤は、中和反応で生成される塩類が難溶化するので電気伝導度の上昇が抑制されます。(図中〇印)

資材名 | Dr.pH造園用 | 過リン酸石灰 | 硫酸アルミニウム | ピートモス |
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中和効果 | 高い | 中庸 | 高い | 殆どない |
電気伝導度 | 抑制 | 急激に上昇 | 急激に上昇 | 殆どない |
植物への影響 | 問題なし | 不適当 | 不適当 | 中和効果なし |
電気伝導度基準
このようなことから国土交通省「植栽基盤の整備手順(案)」では下表を整備目標としています。根が伸張する範囲は1.0mS/cm以下にする必要があります。
土壌の電気伝導度(mS/cm:ミリジーメンス/センチメートル)
上部有効土 | 下部有効土層 |
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0.1~1.0mS/cm | 1.5mS/cm |