酸性法面緑化用中和剤です。盛土法面および浸透性の良い切土法面に散布します。
地山へ根の伸長を促すことが目的の材料ですから、地山の酸度に応じて適した緑化工法を選定してください。
使い方
- ① pH(H2O2)4.0以上:希釈液を2L/㎡散布します。条件に適した工法で緑化してください。
- ② pH(H2O2)4.0以下:希釈液を2L/㎡散布後、緑化シート・緑化マット・植生土のう・植生基材など、pHに応じて選定してください。
- ③ pH(H2O2)3以下 :植生基材+ドクターペーハーキャップによる緑化工法を併用すると良いでしょう。
関連情報
特長
- ・表層を中和処理することで地山に根が伸長しやすくなり早期に地山との一体化が図れます。
- ・中和することで硫酸イオンを難溶化するため、電気伝導度の上昇が抑制、低減されます。
- ・植物に有害となるアルミナを難溶化するため根幹細胞へのダメージを抑制します。
荷姿
pH | pH12~13程度 |
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容量 | 1本18L入り キュービテナーダンボール梱包 |
比重 | 比重が1.1~1.2 約20kg程度 |
成分 | 水酸化カルシウム塩や分散浸透剤を配合した混合物 |


中和試験を実施、希釈倍率を決める(無料)
- ・1箇所あたり500~1000gの土壌が必要になります。
- ・中和目標値としては、現況土壌と強制酸化試料の両方がpH5.0~8.0程度の範囲に設定します。
- ・作成した中和曲線から、設定した中和目標範囲になるよう希釈倍率を決定します。
- ・試験期間は10~14日程度要します。

中和曲線作成例
供試土壌:pH(H2O)4.40 pH(H2O2)3.59
中和試験では採取されたままの状態と過酸化水素水で強制酸化させた試料の2点を用いて実施します。図の青線が採取したままの土壌の中和曲線、赤線が強制酸化させた土壌の中和曲線です。図ではそれぞれの試料をpH5.0~8.0の範囲に中和する希釈倍率を青と赤の枠で示しており、これらの枠が重なる範囲が適正な希釈倍率となるため、この土壌には7倍希釈が適正な倍率になる事が分かります。
希釈倍率の目安表
※pH5.0~8.0の範囲に中和するための目安の希釈倍率
工期がないなどすぐに施工する場合は、下記の目安表を参考に希釈倍率を決めてください。
(pHや土質により希釈倍率が大きく異なる場合がありますのでご注意ください。)
地山のpH(H2O) | PH3.8以下 | pH3.5~4.0 | pH4.0~4.5 |
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希釈倍率 | 5~10倍 | 7~15倍 | 9~20倍 |
中和剤の散布量
標準散布量は2リットル/㎡になります。
希釈液に加えファイバーを200~400g/㎡配合すると効果的です。
散布機材
大規模な現場では種子散布車で散布します。
小規模な現場であれば、農業用タンクと動力噴霧器を組み合わせて散布可能です。
ドクターペーハーメルクは沈降しやすいので、タンク内を攪拌しながら散布してください。

取扱い上の注意事項
① 保護具
- ・皮膚荒れなどの原因となりますので、使用時にはゴム手袋などを着用してください。皮膚に刺激が生じた場合には、医師の診断/手当てを受けてください。
- ・目に入ると失明の恐れがありますので、必ずゴーグルを着用し作業してください。万が一目に入った場合は多量の水で数分間洗浄し、目の刺激が続く場合には眼科医の診断/手当てを受けてください。
② 作業時
- ・強風時や強い降雨時の作業は中止してください。
- ・作業後放置するとカルシウムが固結しますのでホース、ノズル、タンクは洗浄を行ってください。
- ・車両や構造物が周辺にある場合は養生してから作業してください。
③ 保管
- ・保管する場合、一般の人が触れない様にシートを掛け固縛してください。